この記事では、熱伝導率と熱伝達率の違いについてご説明します。
「スグに理解したい人向け」に書きますので、じっくりと理解したい方は
熱伝導の基礎と熱対流の基礎を見て学んでいただければ幸いです。
結論
熱伝導率: 固体内部での熱の伝わりやすさ を示す。
それを決めるのは、物性値(物体が固有に持つ性質)
熱伝達率: 固体⇔流体間での熱の伝わりやすさ を示す。
それを決めるのは状態値(複数の変数で決定される性質)
この違いです!要約するとこれほどに短くなります。
また、単位を比較すると、、、
$$ 熱伝導率の単位: λ= (\frac{W}{K・m})$$
$$ 熱伝達率の単位: h= (\frac{W}{K・m^2})$$
分母にあるm(メートル)に2乗がかかっているかどうかの差です。
これは、
熱伝導率は、「単位長さ当たり絶対温度で1Kの温度降下を生じているとき、
面積1m2当たり毎秒流れる熱量」 を表しています。
熱伝達率は、「単位長さ当たり」の言葉がなくなります。
これは、熱伝達率は、性質上(状態値)、実験式から求める為、
温度が下がりきるまでの範囲(長さ)を概念的に含んで捉えているからです。
最後に
非常に短い記事ですが、、、
改めて要約するとこのようになります。
熱伝導率:物性値 で 個体内部間 の熱移動の指標
熱伝達率:状態値 で 個体⇔流体 の熱移動の指標
意外と熱伝導率と熱伝達率の違いの知らない方・混同している方が多いです。
特に最近では、伝熱基礎式に基づいた手計算ではなく、CAEで計算するケースが増えているため、
言葉を知っているエンジニアが減りつつあると思います。
場合によっては、CAEでも熱伝達率を直接入力する場合もあるため、知っておくと良いです。
両社は比較すると、熱伝導率は物性値なので比較的容易に知れるのですが、
熱伝達率は状態なのでその時と場合に応じて実験をする必要があります。
試験実施前の机上計算の目安として下記計算方法は比較的容易です。
少しでもご参考になれば幸いです♪
ご閲覧いただきありがとうございました。