【強制対流・自然対流】の熱伝達率の計算例(簡易式)

熱のキホン

こちらの記事でご紹介した熱伝達率の計算式を用いた実際の計算例をご紹介します。

強制対流

<問題>
図のような□500mmオイルヒーター(100w)の両面に風速2m/sの風を当てます。
室内温度が20℃の時、オイルヒーターは何度になっているでしょうか。
尚、ふく射による影響は無視する。

<解>
こちらの記事で示した強制対流の平行平面壁にあたる風は下記式で概算します。

$$平均熱伝達率(W/m2・K)=3.86 × \sqrt\frac{V}{L}$$

V=2.0m/s 、 L=0.5m より、

$$平均熱伝達率(W/m2・K)=3.86 × \sqrt\frac{2.0}{0.5} = 7.72 $$

対流熱伝達率の式(ニュートンの冷却法則)より、

$$発熱量(W)=熱伝導率(W/m2・K)× (θmax-θmin(℃)) × 表面積(m2)$$

$$100(W)= 7.72(W/m2・K)× (θmax - 20(℃)) × 0.5 × 0.5 × 2(m2)$$

θmax = 45.9 (℃)
     

このように簡易計算式を用いることで容易に計算することが可能です。

自然対流

<問題>
図のように垂直に置かれた□500mmオイルヒーター(100w)があります。
室内温度が20℃の時、オイルヒーターは何度になっているでしょうか。
尚、ふく射による影響は無視する。

<解>
こちらの記事で示した自然対流の垂直に置いた板は下記式で概算します。

$$熱伝達率(W/m2・K)=2.51 × 係数C × (\frac{温度差}{L})^\frac{25}{100}$$

$$熱輸送量(W)=伝熱面積 × 2.51 × 係数C × (\frac{0}{L})^\frac{25}{100} ×温度差^\frac{125}{100}$$

熱輸送量=発熱量より

$$温度差(℃)= (\frac{発熱量}{伝熱面積×2.51×係数C})^\frac{8}{10}×L^\frac{2}{10}$$

C= 0.56 、 L=0.5(m)より

$$温度差(℃)= (\frac{100}{0.5×0.5×2×2.51×0.56})^\frac{8}{10}×0.5^\frac{2}{10}$$

温度差(℃)= 41.5℃

このように簡易計算式を用いることで容易に計算することが可能です。

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