超実用的解法の[熱回路網法]の概要と計算例

熱のキホン

はじめに

ご閲覧ありがとうございます。
皆さん、伝熱計算でこんなことを感じたことはないでしょうか。

「計算に時間がかかって困る!」
「結局机上計算したいけどCFD(熱流体解析)を使ってしまう!」
「CDFなんてないから伝熱計算できない!」

一つでも当てはまる方・・・朗報です!
熱回路網法と呼ばれる手法をご存じでしょうか?

伝熱基礎式< 熱回路網法 < CFD(熱流体解析)

の位置づけなのでちょうど使い勝手が良い(実用的)です。
そんな非常に便利な解法ですが、伝熱工学では概念的な部分しか説明しないことがほとんどです。(熱抵抗の概念など)

この記事では、そんな方に少しでも参考になればと思い作成しました。

熱回路網法とは?

熱を全体で捉えると、熱は複数の要因が相互に影響を及ぼしあうため、計算が非常に複雑です。単純な方程式では限界があります。複雑の要因を考慮するためには、連立方程式を解く必要があります。熱回路網法では、その名の通り「電気と熱の相似性」に着目して熱等価回路を構築します。構築した回路をキルヒホッフの法則に則り、方程式を解くと必要な数値を得ることができます。

この説明で分かる方はこのHPに来ないはず!
私は自分で書いておきながらさっぱりです・・・
もっと簡単に!

電気 と 熱 は 考え方が似ているので それを有効活用しましょう!
電気で学んだ「オームの法則」を知っていたらOK!

キルヒホッフの法則? 要は 「加えたエネルギー = 出ていくエネルギー 」 

熱伝導率と電気伝導率は比例するといわれている通り、
熱と電気は下記の関係性を持っています。

★重要ポイント★

流量ポテンシャル抵抗
熱流量[W]温度[℃]熱抵抗[℃ / W]
電気電流[A]電圧[V]電気抵抗[Ω]

熱回路網法のメリット・デメリット

メリット

  • 実用的な計算が出来る。(伝熱基礎式の方程式と比べて)
  • 設計上流で何のパラメータが影響を及ぼしているか・熱の流れが定量的に考察できる。
  • 表計算ソフトなどがあれば専用環境が無くても容易にプログラムが組める。
  • メッシュ分割ミスによる解析誤差が無い。
  • 一般的に解析速度はCFDに比べて早い。

デメリット

  • 分割メッシュごとの平均温度が算出される。(細かい温度分布表示などは苦手)
  • 熱回路網を作成するための準備や知識が必要。

※これらのメリットデメリットから熱回路網法は、設計上流での解析手法としては有効といわれています。目的に応じて設計下流向けのCFD(熱流体解析)と区別する必要があります。

熱抵抗について

熱抵抗とは、文字通り”熱の抵抗”です。
単位は[℃ / W]で表され、熱の流れにくさ を示します。
熱抵抗の逆数は、熱コンダクタンスと呼ばれ「W/℃」で示されます。
(熱通過率とも呼ばれます。)

熱抵抗は熱回路網法で解を得るために必要なパラメーターで、
モデルを節点方程式化した後に、節点毎に求めることになります。

熱抵抗の便利な所は何といっても電気回路と相似性があることです。
これにより、電気回路同様に計算することが可能になるのです。
熱抵抗は、下記の公式を用いて計算することになります。

$$ <伝導> R = \frac{L(長さ)}{A(断面積)・λ(熱伝導率)}$$

$$ <対流> R = \frac{1}{S(放熱面積)・h(熱伝達率)}$$

$$ <放射> R = \frac{L(長さ)}{S(放熱面積)・h(放射熱伝導率)}$$
放射熱伝導率h = 5.67×10^-8×放射率×(Ta^2+T∞^2)(Ta+T∞)
Ta:固体表面 T∞:周囲環境の絶対温度(K)

熱回路計算で必要な直列則と並列則の考え方

電気回路の計算には、直列回路と並列回路がありますよね!
それを上記の関係性にそのまま置き換えることが可能なのです。

熱回路の直列回路と並列回路の関係性は、下図のようになります。
電気回路と考え方は同じですね!
まさに電気回路との相似性を活用した解法と言えます。

実践!「こんな感じで計算していきます!」

ここまでの説明で何となく「電気回路的な感じで計算するのね!」「熱抵抗を計算するのね!」と漠然と理解頂ければ十分です!あとは実際に計算して感覚を掴んでください。

計算例をご紹介しますのでご参考にしてみてください。
各パラメーターには横で()カッコで電気の場合として数値を置いています。
これは、熱回路と電気回路の考え方を示す為です。
逆にややこしいと感じた方は無視してください( ;∀;)

計算ステップは、
①モデル化
②回路網作成
③熱抵抗計算
④求めたい値の計算(Tmax)

さいごに

皆さん最後までご閲覧ありがとうございます。

少しでも熱回路網法をイメージ頂く事は出来ましたでしょうか。

手計算だからこそ気づける視点や発想があると思っています。

少々複雑なモデルにも挑戦したいと思います。

ご意見やご質問があればフォームからお気軽にご相談ください(^^♪

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