本記事では、接触熱抵抗について説明します。
接触熱抵抗とは?
軽くおさらいですが、熱抵抗とは文字通り”熱の流れにくさ”を示しています。
単位は(℃/W)で示します。
熱抵抗で計算する事で、熱伝導・熱対流・熱放射の3つの要素をまとめて計算する事ができます。
机上計算では非常に便利なので一般的に用いられる手法です。(詳細は熱回路網の記事参照)
接触熱抵抗とは、物体と物体の物理的接触に生まれる隙間による抵抗のことです。
下図のように例えば個体金属を重ね合わせると、肉眼では密着していても、
ミクロ的に確認すると凹凸が確認できます。この凹凸による隙間が接触熱抵抗といいます。
主に素材の表面粗さ、そり、うねりが要因になります。

接触熱抵抗を求める経験則 ”橘・佐野川の式”
接触熱抵抗を求める為の式で、”橘・佐野川の式”があります。
この式特徴は下記です。
・粗さのある金属部材間の隙間を対象としている。
・接触圧力が考慮されている。
・うねりは考慮されていない。
・1MPa以上の接触圧力を想定されている。

世間的に知られる最も有名な計算式といっても過言ではなく、
近年ではうねりやそりを考慮した手法も検討されています。
接触熱抵抗を低減する方法
接触熱抵抗は、一般的に嫌われる存在です。
例えば、最近発売したPS5内部の基盤では、CPUによる発熱量が大きくそれを逃がすために、
液体TIM(thermal interface material)を用いていたりします。
RAPTOP内のCPUなんかも同じく放熱を効率的に行うために、CPUにはTIMを介してヒートシンクが取り付いています。
接触熱抵抗を低減する方法は下記が一般的です。
・TIMを用いる