
皆さん!こんにちは!管理人のオムちゃんです。
今回は「熱のなんでも相談」で多いお問い合わせの物質移動について
ご紹介したいと思います♪
上のアイコンは当サイトの無料テーマCOCOONの機能であります。
そしてそれをすぐに使いたくなる性の私でございます。
最近はありがたいことに、熱のなんでも相談窓口のお問い合わせを多数いただいており、
そんな中でも、「物質移動を伴う計算」のお困りを多数見受けます。
実はこの物質移動の計算式は、必要なのに伝熱の教科書にはほとんど登場しないのです。
実際の計算にはかなり有効なのに・・・
物質移動を伴うケースとは?
では具体的に物質移動とはどんなケースにみられるのでしょうか。
2つの場合をご紹介します。
case1 シール機の紙が熱を奪う
包装機とは、お菓子のフィルムを梱包からシールまでを自動で行う機械です。
その機械には、いくつものヒーターが使用されており、そのヒーター熱がフィルムによって移動します。
case2 LSIの放熱 ファン冷却
PS5のLSIから発生する熱をヒートシンク→ファンを通じて熱輸送を行います。
以下のサイトは、プレイステーション公式の分解動画です。詳しくは別記事にて
ご紹介したいほど熱マネジメントの勉強になります。
計算式
$$移動熱量Q (W) = 物体移動量(重量流量)G\left(\frac{kg}{s}\right) ×比熱Cp \left(\frac{J}{kg℃} \right)×物体の温度上昇 (℃)$$
ここで、物体移動Gと比熱Cpが熱コンダクタンスになり、その逆数が熱抵抗として活用できます。
つまり、熱伝導・熱対流・熱放射と合わせて熱回路網法に組み込むことが可能になります。
式自体は至ってシンプルですね。比熱Cpは、物体の上昇温度を用いてください。
公式には、内部温度差と書いていますが、要は温度差なので物質移動の最大温度側から最小温度(大気温度)などの差でもOKです。
計算例
問: 下図のように100℃温度一定に保たれた熱源(ヒーター)が内蔵された筐体がある。ヒーターからの熱はすべて換気によって移動すると考えられる場合、換気による放熱量Q(W)を算出せよ。正し、筐体の断面は□50mm、外気は15℃とする。

$$移動熱量Q (W) = 物体移動量(重量流量)G\left(\frac{kg}{s}\right) ×比熱Cp \left(\frac{J}{kg℃} \right)×物体の温度上昇 (℃)$$
ここで
$$物体移動量(重量流量)G\left(\frac{kg}{s}\right)=空気の密度ρ\left(\frac{kg}{m^3} \right)×断面積A(m^3)×平均流速v\left(\frac{m}{s}\right)$$
$$ 物体移動量(重量流量)G \left(\frac{kg}{s}\right) = 1.166 \left(\frac{kg}{m^3} \right) ×0.0025 (m^3) ×1 \left(\frac{m}{s}\right) $$
$$ 物体移動量(重量流量)G \left(\frac{kg}{s}\right) = 0.002915 $$
$$移動熱量Q (W) = 0.002915\left(\frac{kg}{s}\right) ×1012 \left(\frac{J}{kg℃} \right)×85 (℃)$$
$$移動熱量Q (W) = 250.75$$
さいごに
今回は、第四の計算式とも呼ばれる「物質移動を伴う熱移動」に関しての計算方法を基礎の基礎をご紹介させていただきました。基礎ではありますが、何となくイメージは着いたのでしょうか?
当HPでのご相談でも意外と多いこの課題、皆様のお役に少しでも立てれればうれしいです!
ご覧いただきありがとうございます。